ショッピングモールと自前のECショップはどっちがいいんだ?
楽天やアマゾンのような大きなショッピングモールに出店するのと、自前でオンラインショプを作るのとどっちがいいのか悩むかと思います。でもって、多くの制作会社は、制作会社の得意な方、儲かる方を勧めてきます(商売なんだから、当然ですよねw)。
実際のところは、どっちも、メリットもデメリットもあって、それぞれの中小企業にとって経営者がどう判断するかだけ。
では、ちょいと、その辺を整理しておきましょう。
まず、ショッピングモールは、楽天やアマゾン、Yahoo!ショッピングといった名の通ったショッピングモールに出店することですね。あ、厳しい言い方だけど、これ以外のショッピングモールなんて、出店する意味ないですよ。
ショッピングモールに出店するメリット
- ショップのデザインや決済機能などすべて用意されているので、すぐに出店できる
- すでに大量のアクセスがあるので、集客は楽
- モールの信頼を利用できる
- システムの管理などはすべてモール側でやってくれる
- 分からないことはサポートしてくれる
一言でいえば、「店長としては、システムとかよく分からなくても、簡単に出店できる!」ってことですね。
これは、大きい。だって、そもそもネットショップを出す意味は、儲けるためであり、利益を上げるためですよね。チラシを配布したり、看板を出したり、FAX-DMを出すのと同じ。FAX-DMを出すのに、FAXの仕組みを勉強する経営者なんていませんから(笑)。
では、デメリットについて見てみると・・・
ショッピングモールに出店するデメリット
- デザインの制限が多い
- 掲載内容への制限が多い
- 価格競争に巻き込まれる
- 販売数や売上を把握されている
- 月々の費用が高い(モールによる)
- セールやキャンペーンでの協力(モールによる)
分かりにくいかもしれませんが、「リピーターを作りにくい」ってことです。
デザインの制限や掲載内容の制限があるということは、どこのショップを見ても似たり寄ったりの商品説明になります。さらに、ショッピングモールは検索機能があるので、商品名を入力すれば、どこが一番安いのか一瞬で表示されます。お客さんからすれば、同じ商品なんですから一番安いところから買いますよね。
そうなると、一度買ってくれたお客さんがリピーターにはなりにくいのです。
実際、「楽天で買った」というのは覚えていますが、楽天のどこのショップなんて覚えていません。次に同じものを買うときには、商品名で検索するだけ。結局、ショップに魅力を感じているのではなく、安くしなければ買ってくれないのです。
こう書くと、「なんだ、ショッピングモールよりも自前でやった方がいいんじゃないか!」って思うかもしれません。しかし、自前のECショップもメリット、デメリットがあります。
自前ECショップのメリット
- デザインや決済方法は自由
- 掲載方法や見せ方に制限はない(法的には制限はありますが・・・)
- セールや協賛、コンサルティングなどの営業がない
そう、自前ECショップなら、「なんでも経営者が決めた通りにできる!」という自由度が最大のメリットです。
自由度が大きいということは、裏返してみると責任が大きい。なので、デメリットはその辺にあります。
自前ECのデメリット
- システム運営など管理体制が求められる
- 集客のための宣伝広告費が多くかかる
- 技術的なことや運営が分からなければ外部委託が必要
外部の制作会社やコンサルタントに依頼しても、決定するのは経営者ですから、自社ですべてやるのは大変になってきます。そうなると、結局、運営をするにはショッピングモールに頼った方が楽じゃないかってことになります。
「おいおい、だったら、どうすればいいんだよ!」
あー、そう言いたくなりますよね。でも、そこが経営者の仕事なのです。どんなビジネスだって、同じですよね。その商品を扱うのかどうか、新商品を開発するのかどうかは、すべて経営者が最終判断します。それを判断しないで、「あのコンサルの言うとおりにやってたから、こんな結果になった!」なんて言ってたら、誰が経営者か分かりません。居酒屋で上司の愚痴を言っているサラリーマンと変わりません。
いろいろなアドバイスを聞くこと、耳を傾けることは重要です。しかし、最終的に決めるのは社長であって、だからこそ、自社の経営方針を決め、そこからショッピングモールにすべきなのか、自前でやるのかを考えないといけないのです。
どっちが自社の経営方針に合っているのか、あるいは、どこまで投資できるのか、その投資効果を大きくできるのかどっちなのかを考えましょう。
時には、オンラインショップはやらないという決断も必要ですけどね(って、また、迷うようなことを・・・笑)